公務員から民間企業へ転職した424件のうち、314件が未経験の職種への転職でした。未経験でも選考に通るのか、年収はどうなるのか、年代で差はあるのか。実際のデータで確認できます。
公務員の転職は、ほとんどが未経験からの挑戦
掲載事例424件のうち、未経験職種への転職が314件、公務員時代の経験を直接活かせる転職が110件でした。およそ8割が未経験からの転職です。
公務員の仕事には民間に同じ職種が存在しないものが多く、転職すれば自動的に未経験になります。未経験であることは例外ではなく、公務員からの転職では標準的な状態だと考えたほうが実態に合っています。
未経験だと書類選考は通りにくい?
そうとは限りませんでした。書類選考の通過率を比べると、未経験のほうがわずかに高いという結果です。
| 未経験 | 経験を活かした転職 | |
|---|---|---|
| 件数 | 314件 | 110件 |
| 書類選考の通過率 | 36.3% | 47.9% |
| 活動期間(中央値) | 4ヶ月 | 4ヶ月 |
| 応募数(中央値) | 17社 | 16社 |
| 年収の変化(平均) | 21万円 | 27万円 |
| 転職満足度(5段階) | 3.7 | 3.8 |
通過率・活動期間・応募数に大きな差はありません。未経験だから選考に進めない、という状況にはなっていないのが掲載事例の実態です。
差が出るのは年収です。経験を活かした転職が平均27万円上がっているのに対し、未経験は21万円にとどまります。満足度もわずかに下回ります。
未経験でも入ることはできる。ただし、その分の値段はつきにくい。この2つを分けて考える必要がありそうです。
未経験の内訳は、上がった人と下がった人が拮抗している
未経験314件の年収を見ると、上がった人が164件、下がった人が121件でほぼ半々でした。平均が21万円というのは、この2つが相殺された結果です。
では何が両者を分けているのか。年代で見ると、はっきりした線が引けます。
年代で結果が大きく変わる
| 年代 | 件数 | 書類通過率 | 年収の変化(平均) | 満足度 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 126件 | 40.2% | 30万円 | 3.7 |
| 30代 | 130件 | 35.8% | 45万円 | 3.8 |
| 40代以上 | 58件 | 28.6% | -49万円 | 3.2 |
注目したいのは30代です。未経験にもかかわらず、年収の伸びが3つの年代で最も大きくなっています。公務員として一定の経験を積んだうえで、職種としては新しい分野へ移る。この組み合わせが最も評価されている形です。
一方、40代以上の未経験転職は厳しい結果が出ています。書類通過率は28.6%まで下がり、年収は平均で-49万円。満足度も3.2と、他の年代を下回ります。
未経験でも年収が上がった事例
未経験でありながら年収が大きく上がった転職を挙げます。
- 41歳・省庁の行政職からコンサルティングファームへ
630→880万円(+250万円)/満足度4/応募12社→書類通過3社 - 38歳・県庁の土木職から不動産デベロッパーの開発企画へ
600→820万円(+220万円)/満足度5/応募14社→書類通過4社 - 29歳・県庁のDX推進担当からITコンサルタントへ
500→700万円(+200万円)/満足度5/応募17社→書類通過6社
いずれも職種としては未経験ですが、公務員時代に扱っていたテーマがそのまま仕事の対象になっています。制度設計、都市開発、行政のDX。職種は変わっても、対象領域は変えていません。
「未経験でも上がる転職」と「上がらない転職」を分けているのは、職種の経験ではなく領域の知識をどれだけ持ち込めるかのようです。
未経験で年収が下がった事例
反対に、下がった事例も見ておきます。
- 45歳・自衛官から運輸会社の総務へ
758→600万円(−158万円)/満足度3/応募24社→書類通過6社 - 41歳・警察官から小売企業の事務職へ
702→560万円(−142万円)/満足度2/応募26社→書類通過6社
どちらも40代で、転職先は総務・事務です。公務員時代の専門性と関係のない職種を選ぶと、未経験の扱いがそのまま年収に出ます。応募数も20社を超えており、選考自体も長引いています。
職種によって未経験の意味が変わる
掲載事例では、転職後の職種によって未経験の割合も年収の結果も大きく違いました。
| 職種 | 件数 | 未経験の年収変化(平均) |
|---|---|---|
| ITコンサルタント | 11件 | 121万円 |
| エンジニア | 14件 | 93万円 |
| 法人営業 | 18件 | 57万円 |
| 経営・事業企画 | 30件 | 43万円 |
| 総務 | 39件 | -48万円 |
| 事務・バックオフィス | 54件 | -53万円 |
同じ「未経験からの転職」でも、職種の選び方で結果が正反対になります。専門性が求められる職種ほど未経験でも年収が上がり、誰でもできると見なされる職種ほど下がる、という構図です。
職種別の一覧はITコンサルタント、エンジニア、法人営業などから確認できます。
この数字を見るときの注意点
掲載事例は個別のケースであり、すべての公務員に当てはまるものではありません。また「未経験」の判定は事例を提供してくださった方の申告によるもので、どこまでを経験とみなすかには幅があります。
本サイトに掲載しているのは転職した人の記録です。未経験の職種に応募して通らなかった人、途中で断念した人の記録は含まれていません。その分、通過率は実際より高めに出ている可能性があります。
よくある質問
公務員から未経験の職種へ転職できますか?
未経験だと書類選考は通りにくいですか?
未経験だと年収は下がりますか?
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