公務員から民間企業へ転職した424件の記録をもとに、転職先の会社の規模と上場区分を集計しました。どの規模の会社に入った人が多いのか、規模によって年収と書類の通りやすさがどう変わるのかを掲載しています。
公務員はどんな規模の会社に転職している?
従業員301〜1000人の中堅企業が最も多く、170件です。次いで1001人以上が127件、101〜300人が92件と続きます。100人以下の会社へ移った記録は33件で、全体から見ると少数でした。
| 従業員数 | 件数 | 平均年収の変化 | 書類通過率 |
|---|---|---|---|
| 51〜100人 | 33件 | 561→558万円 | 33.1% |
| 101〜300人 | 92件 | 529→553万円 | 41.1% |
| 301〜1000人 | 170件 | 576→592万円 | 38.3% |
| 1001人以上 | 127件 | 573→613万円 | 40.9% |
公務員からの転職というと、大企業を目指すか、逆に小さな会社で裁量を得るか、という二択で語られがちです。実際の記録はそのどちらでもなく、中堅から大手にかけての層に集まっています。
会社の規模が大きいほど、年収は上がる
1001人以上の会社へ移った人は、平均で573万円から613万円へ変わっています。一方、100人以下の会社では561万円から558万円で、平均としては横ばいでした。
年収が上がった人の割合で見ても差が出ます。1001人以上では127件のうち79件が上がり、下がったのは41件です。100人以下では上がった15件に対して下がった15件と、ほぼ拮抗しています。
公務員の給与は、民間の中小企業と比べると低い水準ではありません。規模の小さい会社に移ると、給与だけを見れば下がる可能性が十分にあるということです。
ただし、大きい会社ほど書類は通りにくい
書類通過率は、1001人以上で40.9%、101〜300人で41.1%です。規模が大きいほど通りにくく、小さいほど通りやすいという、年収とは逆向きの関係が出ています。
掲載事例全体の書類通過率は39.3%です。大企業だけを狙うと、この水準より低いところで戦うことになります。応募数の中央値は規模を問わず17社前後ですが、大企業中心に受けるなら、同じ社数でも通る数は少なくなる前提で組み立てる必要があります。
活動期間や応募数の全体像は公務員の転職活動は何ヶ月かかる?で詳しく扱っています。
上場企業と非上場企業では、どちらが条件がよいか
上場企業へ移った177件は、平均で565万円から610万円へ変わっています。非上場企業206件は566万円から576万円で、伸び幅に差が出ました。
| 上場企業 | 非上場企業 | |
|---|---|---|
| 件数 | 177件 | 206件 |
| 平均年収の変化 | 565→610万円 | 566→576万円 |
| 年収が上がった | 107件 | 105件 |
| 年収が下がった | 57件 | 84件 |
| 書類通過率 | 33.3% | 45.8% |
| 転職後の満足度 | 3.8 | 3.6 |
ここでも、年収と通りやすさは逆を向きます。上場企業は年収が上がりやすい一方で書類通過率は低く、非上場企業はその逆です。満足度はほぼ同じで、上場しているかどうかが転職後の納得につながっているわけではありませんでした。
なお、学校法人や医療法人など、上場という区分にあてはまらない転職先も含まれます。教育・医療分野への転職は、この集計では上場・非上場のどちらにも入りません。
小さい会社を選んだ人はどうなったか
従業員100人以下へ移った33件は、転職後の満足度が3.3と、全体の平均3.7を下回ります。年収も横ばいで、条件面では最も厳しい層です。
一方で書類通過率は33.1%と全体並みで、入りにくいわけではありません。入ること自体は難しくないが、入ったあとに評価が分かれるという結果になっています。
掲載事例のギャップの記録を読むと、小規模な組織では「役所なら課で分担していた作業を一人で通す」「決めたことを動かす人手が足りない」という声が出てきます。裁量が大きいことと、負荷が大きいことは同じ状態の裏表です。
転職後に何が想像と違ったかは公務員から転職して感じたギャップにまとめています。
規模で選ぶべきか
掲載事例から言えるのは、次の3点です。
1. 年収を上げたいなら、規模の大きい会社を狙うほうが確率は高い。ただし書類通過率は下がるため、応募数と期間に余裕を持たせる必要があります。
2. 100人以下の会社は、年収も満足度も上がりにくい。それでも選ぶなら、給与以外に何を得るのかをはっきりさせてから動いたほうが安全です。
3. 満足度は規模ではほとんど変わらない。3.7と3.8で差はごくわずかです。何を任されるかのほうが、会社の大きさより効いていると考えられます。
満足した人としなかった人の違いは公務員から転職して満足した人・しなかった人の違いで分析しています。
この集計の前提
会社の規模と上場区分は、転職した時点の情報です。掲載事例は個別のケースであり、すべての公務員に当てはまるものではありません。
上場区分には、学校法人や医療法人など上場という枠組みにあてはまらない転職先や、判断できなかった記録が含まれます。それらは上場・非上場のどちらの集計にも入れていません。
また、本サイトに掲載しているのは転職した人の記録です。応募したが決まらなかった会社は含まれないため、実際の書類通過率よりは高めに出ている可能性があります。

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