29歳・労働基準監督官から人材会社の法務へ転職した事例
- 転職満足度
- 3
- 転職時年齢
- 29歳
- 所属
- 専門職
- 公務員時代の職種
- 労働基準監督官
- 公務員歴
- 7年
- 転職先業界
- 人材
- 転職後職種
- 法務
- 年収
- 525 → 530万円
- 活動期間
- 4ヶ月
- 未経験転職
- はい
- 選考実績
- 応募12 → 書類通過7 → 面接4 → 内定2
公務員になった理由
学生時代に長時間労働のアルバイトで体を壊した経験があり、働く人を守る仕事に就きたいと考えて専門職の試験を受けました。
公務員時代の仕事内容
労働基準監督官として、労働局と労働基準監督署で7年間働きました。定期監督で事業場に立ち入り、労働時間や賃金の未払い、安全衛生の状況を確認して是正勧告を出す仕事です。労災の認定調査や、悪質なケースでの司法警察員としての捜査も担当しました。労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法を日常的に使っていました。
転職を考えたきっかけ
監督官の仕事にはやりがいがありましたが、是正勧告を出しても職場が本当に変わったかどうかまでは追いきれず、対症療法を繰り返している感覚が強くなりました。加えて全国転勤が前提で、数年ごとに知らない土地へ動く働き方を30代も続けるイメージが持てませんでした。労働法の知識を、企業の中に入って予防の側から使いたいと思うようになりました。
なぜその職種を選んだか
人材会社の法務なら、労働者派遣法や職業安定法、派遣契約のチェックなど、監督官として見てきた分野がそのまま業務になります。労働法に強い法務担当は数が少ないと聞き、専門性を活かせると考えました。
転職活動をどう進めたか
公務員特化型2社と、法務職に強い総合型1社を併用しました。特化型は監督官の仕事を民間向けに翻訳するのは得意でしたが、法務の求人自体をあまり持っておらず、総務や人事の一般職を勧められがちでした。総合型は法務求人が豊富な一方で、こちらの経歴を「弁護士資格なし・企業法務未経験」と機械的に評価し、書類の通過率が上がりませんでした。最終的には、労働法の実務経験を前面に出した職務経歴書を自分で書き直し、総合型経由で応募する形に絞りました。活動期間は4ヶ月、応募12件、書類通過7件、面接4件、内定2件でした。
面接で聞かれたこと
「弁護士資格がない中で企業法務のどこまでを担えると考えているか」「監督する側から契約を作る側に回ることへの抵抗はないか」「派遣法改正への対応をどう進めるか」を具体的に聞かれました。
公務員経験で評価されたこと
労働基準法と労働者派遣法を実務レベルで理解している点、是正勧告や司法処分の文書を作ってきた文章力、事業主への聞き取りで事実を詰める調査能力が評価されました。監督官の経歴は、社内で労務相談を受けるときの説得力になると言われました。
内定先を選んだ理由
もう1社は労働法以外の一般企業法務が中心で学びは大きそうでしたが、教育体制が薄く未経験で放り込まれる不安があったため、労働法の分野から任せてもらえる今の会社にしました。
転職後に感じたギャップ
年収は525万円から530万円とほぼ変わらず、金銭面での前進はありませんでした。想定と違ったのは、法務といっても契約書レビューの件数が多く、1件ずつじっくり考える仕事より大量の定型処理をさばくスピードを求められる場面が多いことです。監督官時代のように自分の判断で動ける裁量は小さく、最終確認は必ず管理職や顧問弁護士に回ります。前職の「現場の最終責任者」という感覚とのギャップに、しばらく物足りなさを感じました。
公務員から転職して良かったか
満足度は3です。全国転勤がなくなり、労働法の知識を続けて使える環境に移れたことは良かったです。一方で年収は上がらず、仕事の裁量は狭まり、「専門性を活かせている」と胸を張れるほど任される範囲もまだ広くありません。転職の目的だった「予防の側から働く」には近づきましたが、期待していたほどの手応えはまだなく、正直、良し悪しの両方があるというのが今の実感です。
公務員に戻りたいと思うか
制度としての監督官の権限は魅力的で、戻る選択肢を完全には捨てていません。ただ全国転勤が続く点は変わらないので、当面は今の会社で企業法務の経験を積むつもりです。
これから転職する公務員へのアドバイス
労働基準監督官から民間に出るなら、「資格がない」という一点で書類を落とされる前提で準備したほうがいいです。私は条文の知識ではなく、「年間何件の事業場を見て、どんな是正をさせ、どう文書に残したか」を数字で書けるようにしてから通過率が上がりました。あわせて、法務は思ったより地道な処理業務が中心です。現場で動きたい人には向かないので、そこは早めに自分に確かめておくといいと思います。
